【読書感想】プリズム ★★☆☆☆

プリズム (創元推理文庫)

プリズム (創元推理文庫)

 

貫井徳郎さんの「プリズム」

小学校の先生が置時計で撲殺された。
部屋からは睡眠薬入りのチョコレートが見つかり、窓が切り抜かれていた。
チョコレートを贈ったのは同じ学校の男性教師、南条。部屋からはチョコの伝票がなくなっていた。

 

多重解決物の代名詞、「毒入りチョコレート事件」を意識した作品で、
この作品も、4人の視点からの多重解決となっている。

面白い、のだけどすっきりしない。
というのもこの作品では事件の真相が明かされない!
事故死の可能性すら残されたまま終わる、ミステリーとしては消化不良のなんとももやもやした結末。

被害者とのかかわりが異なる4人が、それぞれが知っていることと入手できる情報から、犯人を推理し、別々の結論に至る。
4人が互いに犯人として指摘しあうというのは型どおりでご愛嬌だけど、
自分が知りえる情報と被害者への印象から推理していく所は好き。

なんでも知りたいことがしれる名探偵ではなく、被害者にイメージ(偏見)を持つ関係者の迷推理は偏っていて面白い。

 

ただ、4人の考えは推理小説に出てくるものとしては軽いし無責任。
犯人を糾弾するつもりがあるわけではなく、自分が納得しできたら真実でなくてもいい、という人たちの推理。

だから根拠も弱いし、とことん調査するわけでもない。
読者は全員の主観で物語を読んでいるので、すべての推理が外れていることを知っている。

やはり結論を出して締めてほしかった。

警察発表のシーンで、全然違うあっけない真相を明かして終わり、とか。

この方が終わり方としてもキレイだと思うんだけどな。

 

勝手に真相予想

4人が勝手なことを考えているので、真相はあっけない方がいい。
・置時計が当たったのは事故。つまり事故死。
睡眠薬は普通に南条がいたずら目的で入れた。
・窓を切り抜いたのは強盗。入った時には死んでたので何も取らずに逃げた

とかそんな感じかな。